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第2回③/苦手教科だけ立て直せばいい

前回は、「授業についていけている」状態が、
努力ではなく“整ったリズム”によって支えられているという話をしました。
先生のテンポ、家庭の環境、子どもの集中――
その歯車がかみ合っている限り、学びは自然に進んでいく。
けれど、そのリズムが少し崩れたとき、どうすればいいのでしょうか。

今回は、その“リズムの乱れ”が起きたときに、
親としてどう対応すれば良いのか――
とくに、「苦手教科が出てきたとき」に焦点を当ててお話しします。


「最近、算数だけ点が下がってきて…」
「英語の単語を覚えられないと言い始めて…」

そんな相談を受けることがあります。
ここで大切なのは、“全部を立て直そう”としないことです。
授業についていけなくなった教科があると、
親はどうしても「ほかも心配」と思ってしまいがちです。
でも、ほとんどの場合、
最初に崩れた教科を立て直すだけで全体は自然に戻っていきます。


勉強というのは、家の基礎のようなものです。
一か所の柱が傾くと、家全体が不安定に見えるけれど、
実際にはその一本を直せば全体のバランスは元に戻ります。
つまり、すべての教科を塾で抱える必要はないのです。

「算数が少し苦手」「理科の計算問題だけつまずいている」
――そんなときは、そこだけを短期間で補えば十分。
その小さな補強が、子どもの自信を守り、
“まだ大丈夫”という感覚を失わせないのです。


塾に通うというのは、“救急搬送”ではありません。
体調が崩れたときに、体を整えるようなものです。
だから、「授業についていけなくなった教科だけ補う」というのは、
実はとても自然で、理にかなった判断なのです。

ここで、もうひとつ大切な視点があります。
それは――一教科の立て直しが、他の教科にも波及するということです。

たとえば、英語を塾で学ぶことで、
「文を分解して理解する力」がつけば、
国語の読解力や社会の記述問題にも応用が利くようになります。
数学で「問題を整理して順序立てる力」を磨けば、
理科の実験レポートもぐっと読み解きやすくなる。

つまり、塾で学ぶのは“内容”だけではなく、
勉強の進め方そのもの――「学び方の型」なのです。
それを一教科で身につけると、
他の教科でも自然と再現できるようになる。

この“応用力の伝染”こそ、
部分的な通塾が持つ最大の効用だと私は思っています。


ですから、「ついていけない教科が出てきた」と感じたときには、
それを“危機”ではなく“調整のサイン”と捉えてください。
必要なのは、すべてを見直すことではなく、
一部分を静かに整える勇気です。

そこに早く気づき、早く動けた家庭ほど、
子どもは焦らずに立ち上がります。
逆に、何もせずに時間だけが過ぎてしまうと、
その苦手が“勉強全体の印象”を塗り替えてしまうのです。


塾の使い方は、人それぞれでいい。
ただ、「どの教科で、どの程度、何を整えるか」だけを
冷静に見極めることができれば、
通塾は最短距離の支えになります。

全部やる必要はない。
けれど、“ひとつだけ”を放置してはいけない。

それが、子どもの学びを長く、安定して支えるための
いちばんやさしい考え方です。


次回は、“全部を塾でやらせるより、必要な部分だけ整える”という
通塾の最適化についてお話しします。
塾を「抱え込む場」ではなく「選び取る場」として使う方法を、
もう少し具体的に見ていきましょう。

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