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第5回⑤/“苦手”を越えて、“自分を動かす力”に変える

前回の第4パートでは、
“戻る勇気”が、過去の成功の記憶から育つというお話をしました。
もう一度ノートを開く。
もう一度挑戦してみる。
そのたびに、子どもの中で“できた日の光”が少しずつ増えていく。

そして今回が、このシリーズの最終回です。
テーマは――
「学びは、苦手を越えるたびに“自分を動かす力”へと変わっていく」ということ。


勉強というのは、“自分の外側で評価される出来事”です。
テストの点数、偏差値、順位、通知表。
けれど、それを続けるうちに、
少しずつ“内側の力”に変わっていく瞬間があります。

たとえば、わからなかった問題にもう一度取り組むとき。
「わからない」とつぶやいて、それでも手を動かすとき。
その小さな瞬間の積み重ねが、
“自分を動かす力”に変わっていく。

それこそが――
自分を成長させる学びの力です。


多くの保護者の方は、こう思っているかもしれません。

「うちの子は、まだ勉強のスイッチが入らない」
「やる気が出ないのは性格だから」

けれど、やる気は“結果”ではなく“環境”の産物です。
安心できる場所で、認められる体験を重ねた子ほど、
自然とスイッチが入るようになる。

やる気とは、
「できた自分をもう一度見たい」という心の反応なのです。


私は塾でこう話します。

「勉強は、君の中の“光る部分”を見つけるためにある。」

テストの点数を上げることは大切です。
でも、それ以上に、
苦手に向き合う中で
「できない」と「できた」のあいだをどう歩むか――
その過程で育つ力こそ、
どんな時代にも通用する“生きる力”になるのです。


“苦手”を乗り越えるとは、
弱点を消すことではありません。
苦手を知り、その中で動けるようになること。
それが本当の成長です。

苦手な教科があるなら、
それは自分の“伸びしろ”がそこにあるということ。
嫌いな勉強があるなら、
その中に“未来を変える鍵”が眠っているということ。


塾の教室で、私はこんな光景を見ることがあります。

数学の計算ミスを笑っていた子が、
一年後、他の子に教えている。
「この問題はこうやるんだよ」と、
あのときの失敗を誇らしげに語っている。

その瞬間、私は思います。
「学ぶって、こうして強くなっていくことなんだ。」

苦手を越えた先には、
点数でも偏差値でもない「静かな誇り」が生まれます。
それは、自分を嫌いにならなかった誇り。
何度つまずいても、もう一度ノートを開いた誇り。
そしてその誇りこそ、
この先の人生で、何よりも強い支えになる。


教育とは、他人と競争して“勝たせること”ではありません。
もう一度立たせること。

塾とは、“上を目指す場所”ではなく、
もう一度立ち上がる場所。

そこから再び歩き出す姿を見届けることこそ、
教育者にとっての最高の喜びです。


そして、すべての子どもたちへ。

「苦手がある」ということは、
“まだ成長の余白を持っている”ということ。

だから、焦らなくていい。
誰かと比べなくていい。
自分のペースで、自分の道を進んでください。

勉強とは、“自分の心と向き合う訓練”です。
学び続ける人は、
何度でも立ち上がり、何度でも始められる人。

“できない”が“できた”に変わった瞬間、
世界の見え方が変わります。

それはきっと、あなたたちにとって最初の「自信の芽」になると信じています。


このシリーズを通して伝えたかったこと。

それは――
勉強とは、点数を上げるための作業ではなく、
人生を整えるための練習だということ。

子どもが今日もノートを開く。
その一枚のページの上で、
“苦手”が、“自分を動かす力”に変わっていく。


シリーズの最後に。。。

学びとは、
心の中に灯る小さな光を絶やさないこと。

その光がある限り、
人は何度でも立ち上がれる。
そして――
その光が、やがて誰かを照らす日が来ます。

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