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第3回③/部活で鍛えた集中力を“勉強の筋肉”へ

前回は、勉強のリズムは「時間」ではなく「流れ」で作る――
という話をしました。
短い時間でも、呼吸を止めないように続けることが、
学びを動かし続ける力になる。

今回は、その“流れ”の中に、
「部活で鍛えた力をどう生かすか」という視点を加えてみましょう。


私はよく生徒にこう話します。
「勉強と部活は、使っている筋肉が違うようで、実は同じだ」と。

どちらも、“上手くなる”ためには、
一気にやるよりも“積み重ね”が必要です。
最初は思うようにいかなくても、
毎日コツコツと動かし続けるうちに、
体も心も少しずつ強くなる。

部活でいう“基礎練習”が、勉強でいう“基礎学力”。
どちらも、地味で退屈に見える時間の中でこそ、
本当の力が育っていくのです。


ある運動部の生徒が、
「部活の練習メニューはキツいのに、なんで毎日続けられるのか分かりません」と言っていました。
けれど、彼は続けてこう言いました。
「やらないと落ち着かないんですよ。やらない日があると気持ち悪くて」。

それを聞いたとき、私は笑って言いました。
「それこそ、君が“強い”理由だよ」と。

習慣というのは、“やらないと気持ち悪い”状態にまで体に刻まれたリズムのことです。
部活でそれを体得した子は、勉強でも同じ流れを作ることができる。
“努力を日常にする力”を、すでに自分の中に持っているのです。

勉強というのは、
「集中する力」と「続ける力」、
この二つが両輪です。

集中力を高めるには、
一瞬でエネルギーを爆発させる筋肉ではなく、
“呼吸を整えながら持続できる筋肉”が必要です。
それを育てているのが、まさに部活です。

長い練習時間、限られた体力、仲間との協調。
その中で、どんな子も“集中の持久力”を磨いています。
その経験は、
問題演習を積み重ねる力、
試験本番で気持ちを切らさずに走り切る力へと変換できる。

部活での努力は、ただの汗では終わりません。
それは“勉強に変換可能な経験値”なのです。


では、その変換をどう始めればよいのでしょうか。
答えは意外とシンプルです。

「部活をしている自分」と「勉強している自分」を切り離さないこと。

「どっちも本気」である必要はありません。
けれど、部活で味わう「悔しさ」「達成感」「集中のスイッチ」。
その感覚を、勉強の中でも意識してみる。
それだけで、心の使い方が変わります。

たとえば、テストの前に「練習試合の前の気持ち」を思い出してみる。
ノートを書き終えるとき、「今日の練習をやり切った」と同じ呼吸で締めくくる。
そうすることで、努力のスイッチを“共通化”できるのです。


また、部活を通して学ぶのは「努力」だけではありません。
人との関わり方、責任感、チーム意識――。
これらは、勉強を「自分一人の戦い」にしないための重要な力です。

テスト勉強も、受験も、最終的には“個人戦”ですが、
支え合う仲間がいることで人は続けられます。
塾の仲間や先生、友人たちと同じ方向を見られる子ほど、
学びの継続力が高い。

「誰かと頑張る経験」が、
学びの孤独を和らげてくれるのです。


だから私は、
「部活をしているから勉強が遅れる」なんて言葉を、決して使いません。
部活をしている子は、すでに“努力の構造”を知っている。
その構造を、ただ勉強という別のフィールドで再現するだけなのです。

つまり、
努力はいつも“同じ筋肉”を使っています。
どんな競技でも、どんな教科でも、
“続ける力”が結果を変える。


部活の頑張りは、勉強にとっても財産です。
汗をかいた回数、くじけなかった日々、
それらは、「学び続ける体質」をつくるための練習だったのです。

努力を使い回せる子は、どんな場所でも強い。
部活も勉強も、その根っこは同じ。
違うのは使う道具だけ。
その道具を“ペン”に持ち替えるだけで、
子どもの集中力はもう学びの筋肉になるのです。


次回・第3回 第4パートでは、
「“切り替える”のではなく、“重ねる”」というテーマでお話しします。
部活と勉強を両立するための現実的な考え方――
“時間の争奪戦”から“共存のリズム”へ。
両立を「矛盾」ではなく「共鳴」に変える方法を見ていきましょう。

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