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第3回②/勉強のリズムは、時間ではなく“流れ”で作る

前回は、「部活が終わってから塾に行こう」という考えが、
実は“止まってしまうリスク”を生みやすいという話をしました。
部活をすることは悪くない。
けれど、“やらない理由”として使ってしまうと、
学びのリズムが静かに止まってしまう――。
今回はその延長線上で、
「勉強のリズムとは何か」をもう少し深く掘り下げてみましょう。


「うちの子は勉強時間が短いんです」
「塾に行っても集中できているのかわからなくて」

そんな言葉を、保護者の方からよく耳にします。
でも実は、“時間の長さ”はそれほど重要ではありません。
勉強は「時間の長さ」ではなく、「継続した量」で決まります。

たとえば、週に一度だけ一時間集中して勉強する子と、
毎日十五分でも集中して机に向かう子。
半年後に伸びているのは、後者です。

それは単純な“合計時間”の問題ではありません。
人間の脳は、「昨日やったこと」を前提に「今日の理解」を積み上げるようにできているからです。
昨日止めてしまえば、今日の勉強はゼロから再起動しなければならない。
けれど、昨日の流れを少しでも残しておけば、
今日のスタートは“途中”から始められる。
このわずかな差が、やがて大きな積み重ねになります。


私はこれを“知識の呼吸”と呼んでいます。
吸って、吐いて、また吸って――。
短くてもいい、浅くてもいい。
でも、その呼吸を止めないことが何より大事なのです。

長時間勉強することよりも、
「昨日の続きを、今日も少しだけ続ける」。
そのリズムが、学びの中に“流れ”を作ります。
流れがある人は、理解を「繋げて」考えることができる。
流れが途切れた人は、理解を「点」で扱うしかない。
同じ時間を使っても、結果がまるで違ってくるのです。


そして、この“流れ”にはもうひとつ大切な側面があります。
それは、「勉強のリズムは心のリズムに支えられている」ということ。

心が不安定なとき、
勉強だけを長時間させても、うまくいきません。
心が動いていないのに、体だけ机に向かわせても、
それは“空回り”になってしまう。

逆に、部活や家庭の中で、
「今日はこれができた」「昨日より少し進んだ」という実感があると、
その達成感が勉強の流れを支えます。

そして、これは逆もまた真なりです。
心のリズムが乱れているときこそ、
いつも通りの勉強をすることで、
少しずつ心を整えることができます。
学びの流れは、心の呼吸でもあるのです。


ここで一つ、実際の塾での例を挙げましょう。

部活で夜遅くまで練習をしている中学生がいました。
平日は疲れてほとんど時間が取れず、
「塾に通う意味があるのか」とお母様も悩んでおられました。

でも、その生徒は塾に来るたび、
十五分だけでも“前回の復習”をする習慣を守り続けました。
最初の数か月は、大きな変化はありません。
けれど半年後、驚くほどの違いが出ました。

「もう一度やり直す時間」がなくなったのです。
学びの流れが止まらないことで、
すべての授業が“前回の続き”になった。
復習ではなく、常に“積み上げ”。
それが本人の自信になり、結果的に受験期には
どんなに忙しくても崩れない、
“学びを続ける体質”を手に入れていました。


学びというのは、
「やるときに一気にやる」ものではなく、
「やらない日を作らない」ものです。
これは、時間を増やすというより、
“流れを守る”という考え方に近い。

部活も同じです。
筋トレや練習も、一日で劇的に成長はしません。
けれど、少しずつ積み上げたものが、
やがて「続けることに強い体」を作ります。

勉強もまったく同じです。
流れを守ることが、強さを作ります。


塾が支えるべきなのは、
その“流れ”を整える仕組みです。
通塾の目的は、長時間学習ではなく、
「続けるリズムを保つこと」にあります。
学びの呼吸を絶やさないための場所。
それが塾の本来の姿なのです。

次回・第3回 ③では、
「部活で鍛えた集中力を“勉強の筋肉”へ」
というテーマでお話しします。
体で覚えた努力のリズムを、
どう学びのリズムへ転用していくか――
その“橋渡し”の部分を一緒に見ていきましょう。

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