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やる気が続かない・すぐに飽きる(保護者様のお悩み相談から)

――やる気がないわけじゃない。続かない理由があるだけ。――

1.「最初だけ頑張る」そのあとが続かない

塾でも、よくこんな話を聞きます。
「最初の一週間は頑張るんですけど、すぐ飽きちゃって……」

新しいノートを開いて、気合を入れて始める。
でも、数日後には机の上にノートが閉じたまま。
どんなに声をかけても、手が動かない。

やる気が続かない子どもを前に、
「根性が足りないのかな」と思ってしまうのは自然なことです。
でも、実は『気持ちの問題』だけではないんです。

2.やる気は「感情」ではなく「設計」

「やる気」は感情ではなく、環境と設計の結果です。

たとえば、勉強を始めるたびに教材を探したり、
机の上が散らかっていたりすると、
『始めるまでの負担』が大きくなります。

行動心理学では、これを「立ち上がりコスト」と呼びます。
行動を始めるときのハードルが高いほど、続かなくなる。

つまり、やる気を出す前に、
「やる気がいらない仕組み」を作ることが先なんです。

3.『続かない』のではなく、『止まりやすい』

子どもは、やる気がないのではなく、止まりやすいだけです。

一度止まると、再開するのが難しい。
これは大人でも同じですよね。
運動でも、家計簿でも、ブログでも。
「明日やろう」と思って、その『明日』がずっと来ない。

やる気が続かない子を責めても、逆効果です。
問題は気持ちではなく、再開の仕組みがないこと。

一度止まったときに、『どうやって戻るか』の手順があれば、
子どもは自分で立て直せます。

4.やる気が消える3つのタイミング

塾で見ていると、やる気が途切れる瞬間には、
だいたい共通点があります。

① 達成感の直後
→ テストが終わった瞬間に気が抜ける。
② 予定のズレ
→ 一度計画が崩れると、再開しにくくなる。
③ 結果が出ないとき
→ 「努力しても変わらない」と思って止まってしまう。

この3つのどれかが起きたとき、
「また頑張れ」と言うよりも、
「どうすれば戻りやすいか」を一緒に考える方が効果的です。

5.再開しやすい子は、「始め方」が上手

やる気が長続きする子どもには、共通点があります。
それは「再スタートの手順」を知っていること。

彼らは、完璧を求めずに『途中から再開』できる。
「昨日サボったから、今日は倍やらなきゃ」と考えずに、
「昨日はお休みだったから、今日の分をちょっとだけやろう」
――そうやって軽く戻れる子です。

勉強に限らず、
『完璧主義』ほど続かない。
再開のハードルを下げるほど、行動は続きます。

6.親ができる「再開の空気づくり」

子どもが止まったとき、
「どうしてやらないの?」ではなく、

「また今日から一緒に始めてみようか」

この一言だけで、子どもの表情は変わります。
怒られるより、戻ってきてもいいと思える空気のほうが、ずっと力になります。

やる気は叱って出すものではなく、
『戻れる安心感』の中で育つもの。

親が焦らず、信じて待つ。
その穏やかさが、続ける力のいちばんの支えになります。

 

――続ける力は、気合ではなく「仕組み」で作れる――

7.続ける子は「気持ち」ではなく「仕組み」を持っている

塾で長く見ていると、続ける子と続かない子の違いは、
努力の量でも、意志の強さでもありません。

違うのは、「続けられる設計」をしているかどうか。

たとえば、勉強する時間を『固定』している子は強いです。
夜8時になったら机に向かう――その約束を、
気分ではなく習慣として体に覚えさせている。

一方、気分で動くタイプの子は、
「今日は疲れた」「明日からやろう」でリズムが崩れやすい。
これは根性の問題ではなく、『仕組みの欠如』なんです。

8.やる気を維持する3つの設計

やる気を出し続けるのは難しい。
でも、「やる気がいらない仕組み」を整えることは、誰にでもできます。
ここでは3つの視点を紹介します。

① スタートを「自動化」する

やる気は、始める瞬間に最も必要になります。
だからこそ、『始めるきっかけ』を固定化することが大切です。

たとえば、

食後に5分だけ机に座る

学習アプリを開いたら、まずタイマーを押す

勉強前に好きな音楽を1曲だけ聴く

このように『条件反射的なスイッチ』を作っておくと、
意志を使わずに始められます。
大人でいう「朝コーヒーを淹れたらパソコンを開く」と同じです。

② 終わり方を「決めておく」

「続ける」ためには、『終わり方』も大切です。
多くの子どもは、「今日はもういいや」と曖昧に終えるから、
達成感が残らず、次への意欲が湧きません。

そこで有効なのが、終わりの儀式化です。

今日できたところに○をつける

ノートの端に「ここまで」と書く

次の課題を一行メモしてから閉じる

小さな『完結の形』を残すと、
次の日、再開しやすくなります。
「昨日の続きから始めよう」と思えるだけで、継続率は大きく変わります。

③ 見えるご褒美を「最小単位」にする

続けるには、手応えが必要です。
でも、『ご褒美』を大きくしすぎると、逆に続かなくなります。

大切なのは、小さな達成の見える化。

5ページ終わったらシールを貼る

タイマーが鳴ったら深呼吸してOK

一日分の学習を終えたら「よくやった」と言葉にする

やる気は、『達成感の積み重ね』でしか持続しません。
ご褒美は、結果ではなく、行動そのものに与えるのがポイントです。

9.「中断」ではなく「一時停止」と考える

途中で止まることを、失敗だと思う必要はありません。
やる気の波には、必ず『揺れ』があります。

だからこそ、止まってしまったときに、
「終わった」ではなく「一時停止」と捉えてください。

そして、こう伝えてみてください。

「また今日から始めればいいよ」

この一言で、子どもの心のハードルが一気に下がります。
焦らせずに戻れる空気を作ることが、
継続の最も強い後押しになります。

10.塾で見た小さな工夫の話

ある生徒は、勉強を再開するたびに小さな儀式をしていました。
ノートの端に、その日の「ひとこと」を書くんです。

「今日は眠い」でも「集中する」でもいい。
一言書くことで、気持ちが切り替わる。

その子は、結果的に一年間で大きく成績を伸ばしました。
でも、本人が最後に言ったのはこうでした。

「ノートに書いた『言葉』の方が、成績よりうれしいかも」

続ける力は、気合でも、才能でもなく、
自分の気持ちを整える『ちょっとした仕組み』なんです。

11.続けられないときに、親ができること

子どもが止まってしまったとき、
親がすべきことは『叱咤』ではなく『調整』です。

環境が変わっていないか

机まわりが片づいているか

勉強時間が寝る時間に近すぎないか

やる気が続かないとき、
実は「心」ではなく「構造」が乱れていることが多い。
親が焦らず整えてあげるだけで、子どもはすぐに戻れます。

🌿 全体のまとめ

やる気は感情ではなく設計。

続けるためには「始め方」「終わり方」「ご褒美の形」を決めておく。

止まるのは失敗ではなく、一時停止。

親が整えるのは、気持ちではなく、環境。

やる気を信じるよりも、
やる気がいらない『仕組み』を作ってあげること。
それが、子どもを長く支えるいちばんの方法です。

🎬 次回予告

「勉強の仕方がわからない」と言われたとき、
親が焦って『教え方』を探すのは自然なこと。
でも、本当に必要なのは『教え方』ではなく、『関わり方』。
次回は、子どもの「わからない」にどう寄り添えばいいのか――
塾で実際に起きた場面をもとにお話しします。

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